PC-9821Na13/H10を修理する!?
PC-9821Na13/H10を入手したのでその修理の記録です。
作成日 2021/09/05
ビネガーシンドロームが状態の本体を入手して部品取りにする予定でした、状態が良かったので修理する事にしました。
なお、今まで320×240で作成していましたが、今回は横1024で画像を統一しています。
■初期状態■
電源入る
本体起動しない
画面うつらない
本体は全体的に綺麗で傷も少なく、キーボード等のテカリ・消耗もほとんど無い本体です
部品取りにするのは少し勿体ないので、これも起こす事にします
※分解前にバックアップ電池・レジューム用電池の取り外し、レジュームスイッチオフにしておきます
■ディスプレイ部を分解して状態を確認します■
ディスプレイは全てツメではめ込まれているのでプラ製のスクレーパー等を利用してこじ開けて行きます
ディスプレイ下部に関してはどうに分解するのか判らない構造をしているので、強引に開けるつもりで行かないと開ける事が出来ません。
劣化具合が酷いと割れるので注意しながら開けていきます。
私の場合左右・上そして下側と開けて行きました。
■インバータ回路の確認■
バックライトが点灯しない状態だったため、インバータ回路を確認すると、粘度のある液体が着いた状態になっています。
これはビネガーシンドロームの影響で付着した液体です。パネル内から揮発したガスが基板上で液体化したのかは不明ですが、酢のような刺激臭がします。
これが原因なのか不明ですが、インバータ回路内のヒューズが切れている状態です
■パネルの確認■
別のインバータ回路を接続してパネルの状態を確認しています。
斜めの傷と外側から内側へ向かって画面のムラのような物が確認できますが、これはパネルに貼られている偏光シートの劣化と
偏光シート固定している接着剤との間の透明フィルム?の劣化です
斜めの傷のような劣化が 表面側
外側から内側へのムラのような物が 裏側
両面の偏光シートが劣化している為、今回このパネルの使用は諦めます
■本体の分解■
裏側のネジ7本を外します
上、3本は長いネジ
下、4本は短いネジです
短いネジ4本を外します
拡張メモリ関係の蓋が外れるので、外してネジ2本を外します
このネジは他のネジと違い細いサイズです
本体上部と下部を開けます
ネジ止めの他に爪で固定されているのでスクレーパー等を利用して開けていきます
ディスプレイ部のコネクタとアースのネジを外してディスプレイ部と本体部を分離させます
サブディスプレイ・キーボードとマウスパット部は置いてあるだけなので、フラットケーブルを解除して取り外します
ネジ3本取り外して放熱板を外します
上部ネジ2本を外しておきます
■メインボード取り外し■
接続コネクタが写真部分に付いているので注意しながら外し
今回は特に何もしないのでこのままにします
■電源部とI/O関係の基板■
六角スペーサ付きネジ1本と電源サブ基板?を固定しているネジ1本は外します
■電源基板■
5Vと3.3Vを生成している電源基板だと思います
この上の電解コンデンサーから液漏れが発生しています。
写真では判別出来ないのですが、基板上の電解コンデンサー周辺に液体滲んだような跡があり
コンデンサーの足も青緑色に変色しています
C16・C18・C26 47uF 16V
C01・C02 180uF 16V
部品を外して基板の汚れを落とします
C18とC26の辺りが比較的酷い状態でした
電解コンデンサー交換後
2枚目の基板の裏側
表面実装形の電解コンデンサーが付いているのですが、これもダメになっている事があります
今回は部品が無いので交換しません
本体分解はここまでなので、逆で順で元に戻します
■インバータ回路の修理■
ヒューズ切れだったのでヒューズを交換します
左側の小さいオレンジ色の物が前の部品
詳しい仕様は判らないですが1.25Aと書かれていたので同等品と交換します
■中古パネルの購入■
海外通販にて8500円(2021年現在)
一番安い会社でしたが、梱包もしっかりしています
偏光シート交換の選択肢もあったのですが、両面のシート不良でこれも海外通販で偏光シート代で5000円近くかかる為
今回は良品再生品を購入
さすがの最安品。使えるけどバックライトが暗いです
元々のビネガーシンドロームパネルのバックライトを移植しました
パネルを組み付けて組み立て完了です
※覚書※
電源投入後
”SET THE SOFT WARE DIP-SWITCH”と表示されて本体が起動しない
→HELP キーを押しながら電源ONしてシステムセットアップメニューを表示させ再起動
→レジュームスイッチがONになっていたらOFFにして再起動
のどちらかで改善しなければ 分解して再確認する