PC-9821Cr13/Tを修理する!?

1996年発売の液晶一体型デスクトップパソコンを入手したのでその修理の記録です。

キャンビーシリーズの携帯型モデル?として中途半端なスペックで登場したらしい機種のようで
ノートパソコンをデスクトップパソコンとして作り直したかのような仕様になっています。
拡張性はPCMCIAカードスロットしかなく、当時高価な液晶パネルを採用した物の解像度が640×480のVGAサイズ
Windows動かすにも画面が狭く、ゲームをするにも10.4インチディスプレイでは小さく迫力も無いと
当時からも酷評された迷機種のようです。

■基本スペック
CPU Pen133Mhz
MEM 16MB
VGA 10.4インチTFT液晶(640×480)26万色表示

■入手時の状態
電源入るが液晶表示せず、背面VGA端子からの起動を確認出来る状態。

■入手時の状態チェック
・液晶パネルがビネガーシンドローム劣化
・バックライト点灯せず
・4倍速CDドライブ故障

・FDD正常
・HDD正常

液晶パネル部を外して、内部を確認していきます。

酢酸のような臭いがしているため、ビネガーシンドロームなのでパネルが劣化しています。

ビネガーシンドロームが始まると酢酸ガスが発生して、周辺機器にまでダメージを与えます。この場合インバータ回路の横に白スジのような物が見えますが、これは酢酸ガスが付着して液化した物が、垂れた後のようです。
インバータ回路にも付着してた為、インバータ回路自体も故障していました。

パネル型番

NL6448BC33-21

640×480 26万色

産業用ディスプレイとして2021年現在でも海外通販等で購入できるようですが、1万〜15000円前後のようです。

ビネガーシンドロームによりパネル裏の偏光シートが劣化しています。

偏光シート自体と言うよりも、偏光シート下のフィルムが劣化している感じです。

これが酷くなると偏光シートが水ぶくれのような状態になって内部から酢酸のような液体が出てくるのです。

このパネルの再使用は今回諦めます。

■HDDのCFカード化

この年式のハードディスクを使い続けるのは難しいのでCF変換基板を利用してCFカード化します。

CFカード変換基板は拡張スロット用のステーを加工してネジ止めしました。

 

※基板を見てみて、それにしてもこの電解コンデンサー数は酷い。そのうち交換するにもかなり難しそうです。

■CDドライブの修理

4倍速4連装CDドライブの修理です
パソコン本体のデザインがこのドライブのデザインになっている為、今時のドライブに交換すると見た目が悪くなってしまうので、修理する事にしました。

・症状・
電源が入っているようだが、動作せず。

メイン基板上の矢印の電解コンデンサーから液漏れが見られたので交換したら治りました。

※写真の矢印の位置が違ってました。
上側の矢印はスーパーキャパシタを指していますが、その下の電解コンデンサーから液漏れしていました。

なお、スーパーキャパシタも寿命のようですが、代替え品が無いのでそのままにします。

 

正直言って

「こんな物修理するとは思わなかった」

 

液晶パネルの修理を諦め別のディスプレイパネルと交換します。

Cr13Tには外部出力用の端子があるのでそれを利用して内蔵パネル化します。

VSDISPLAY 10.1インチ IPS液晶パネルセット
12500円(2021年現在)



分解状態でテストして動作確認します。

パネルの位置を決めたり、メイン基板の位置を決めて固定します。

パネルコントロールスイッチは左下に配置

640×400ラインのゲームも普通に表示されました。

背面はこんな感じで、メモリ拡張スロットの

場所からCFカードにアクセス出来るようにしてあります。

この機種、スピーカだけは良いのでゲーム等は迫力のサウンド?でプレイ可能です

色々試してみて、Windows98SEまで入れてみましたが、バランスが良いのはWindows98まで。


ゲームするならMS-DOS5.0位を別のパーテーションに入れて単独で起動させた方が良さそうです。


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